果てしなき悪魔との聖戦

正に聖戦と呼ぶにふさわしい戦いであっただろう。

悪魔の声が僕を誘う。

「こっちへおいで」

「楽になってしまえよ」

「うけけけけ」

黄泉の国に引きずり込もうとしている。しかし僕は悪魔の声と必死に格闘する。

「嫌だ!そっちの世界になんか行きたくない!」

必死の思いだった。

崩壊しそうになる精神をぎりぎりのところで支えながらの格闘。体力と精神は削られる一方である。

それでも何とか戦い続けた。何故かって?そりゃあ、守るべきものがあるから…ただそれだけのことさ。

そして降着状態の戦いが続く中、ついに悪魔が強行手段に出た。

黄泉の国に力ずくで引きずり込もうとした。これはマズい。力では悪魔の方が遙かに上である。

黄泉の国の入り口が何回も見えた。しかしその度に僕は耐えて現世に舞い戻った。

果たしてどのくらい戦いが続いたのだろうか。すでに疲労はピークに達している。このままでは…

その時、神の声が聞こえた。悪魔の姿はたちまちに消えて、気がつくと戦いは終わっていた。

それ以降、悪魔は現れなくなった。悪魔はいったい何だったのであろうか?

ひょっとしたらソイツは僕の心の汚い部分や弱い部分が具現化したものなのかもしれない。

気をつけよう。悪魔は貴方の中にも潜んでいるのかもしれない。