危なかった子供の頃

今でも「これはヤバかったな〜」と思うことがあります。保育園に行くか行かないかくらいの時のことです。長い人生、自分に限らず皆様も死にかけた、あるいはそれに近いくらいのヤバい体験はあると思います。僕の場合はこれから書くことになります。








幼き日の腐痔霧羅セニョリータ刑憎(以下、刑憎)は天才美少年として世の名声を欲しいままにしていた。末は博士か大臣かなどという言葉も、彼には軽い通過点になるだろうという程度にしか思われなかったという。それがためか、許嫁候補も両手に数えきれないくらい既にいたらしい。





ある日のこと、刑憎が洗面所で歯を磨いていた時に、何かの拍子に滑って転んでしまった。これからの受験生にとっては最悪の表現をしてしまいごめんなさい。


その時に、歯ブラシが喉に刺さったというか、喉を軽く貫いた状態になったらしい。その日の夕飯、刑憎の様子がおかしいってんで親に病院へ連れてってもらったところ、医者曰く二つのピンチがあったという。





一つは「あと一日気づくのが遅かったら死んでましたよ。」とのこと。そしてもう一つは「歯ブラシが刺さったところがあと一センチずれてたら神経がやられてましたね」と。軽く引くねこりゃ。





そして話はまだ続きがあり、手術が行われたが、その時に使われてた輸血が非加熱製剤だったということ。





これ、中学〜高校の時に親から聞きました。そう、薬害エイズ問題が出た時のことです。ドン引きです。今のところはエイズや肝炎の症状も出ておらず、個人的には問題なかった訳ですが聞いた時はかなり驚きました。まあ、親も気が気でなかったと思いますが。






話は戻り、これら幾多の試練を乗り越えた刑憎はかつての天才美少年の面影は全くなく、死の灰を浴びたトキのようになってしまったという。彼は今うだつの上がらないサラリーマンとして働いているが、その事件の結果日本の損失は何百兆円にも登るという試算結果が出た話は余りにも有名である。また、許嫁候補も全くいなくなりただの残念なオヤジになっているという。現実は厳しいものだ。しかしながら彼はそんな現実と真摯に向き合い、日々闘い続けているという。









解説


ヘドが出る。自惚れもここまで来ると殺意が沸いてくる。しかしながら、懸命な読者の皆様は彼を見かけても殺さないように。彼ごときのために人生を台無しにすることはあるまい。自分を大切にするがよろしい。





作者紹介


腐痔霧羅セニョリータ刑憎、新進気鋭の若手作家。日常生活の下らないことをこれでもかと誇張することを作風としている。今回は珍しく子供の頃の話をしてるが、話の膨らませ方が以前より大きくなっており呆れてものが言えない状態である。誰か正義の鉄槌を。