間違いを犯し候

この物語は世知辛い世の中で勇敢に、そしてたくましく生きる一人の男の物語である。


男の名は武羅武羅、またの名をセニョリータ刑憎とも言う。この名を聞いて舐めてかかる奴は数知れず、そして武羅武羅はそんな奴等に対し常に平身低頭で生きてきたという。情けない男め。




おっと、話が大分横道にそれてしまったようだ。失礼。これから始まる熱き物語を刮目して見よ!




…………これは一体いつのことになるのだろうか。そうだ!気心知れた仲間たちと酒を酌み交わしていたんだ。



あの日は楽しかった。いつも通りの馬鹿話だけでなく、これからのことを真剣にどうしようか考えていた。素晴らしい仲間たちに感謝しなきゃいけないな…



俺はこれからもっと真剣に生きていかないと…仕事にしろ私生活にしろ自分を向上させる気持ちを持ち続けないと…このままじゃいけない。そう思ったよ。成長しなきゃな。




貴重な時間を過ごしたよ。


そして時間が経つにつれ、酔いが少々回ってきた。あぁ、近くなってきたからトイレに行こう。







…………?あれ?









男子トイレのはずなのに小便器がないわ。何でだろう?まあ、いいか。とりあえず用を足そう。




ふう…すっきりした。あれ、ドアを開けたら目の前に女性?






…………あ!










男子トイレと女子トイレ間違えて入っちまったあ!





気づいた瞬間目の前が真っ暗になるような感覚に襲われた。しかし、何とか仲間のいる席に戻ったら視界が明るくなった。




相変わらず仲間は素敵な笑顔を向けてくれる。しかし、俺は間違いを犯してしまっている。罪を告白すべきかしないべきか。



そしてそのまま飲み会は終わった。しかしながらその後、武羅武羅を見た者はいないという。








解説


相変わらず訳のわからない文章で虫酸が走る。もはや怒りを通り越して呆れてくる。このような大人になってはいけないということを本書は如実に示している。全国の親御さんたちへ、子供たちへの反面教師という題材としては良いかもしれない。しかしながら強烈なストレスと子供の将来に不安を覚えてしまうかもしれない。




作者紹介



腐痔霧羅セニョリータ刑憎


新進気鋭の若手作家。日常生活のことをあり得ないほどに誇張して表現をするその作風は時として読者の反感と嘲笑を買う。
憎まれっ子世に憚るとはまさにこの事である。